みなさまはトラックマンに備え付けられている『正規化』と『オプティマイザー』の機能をご活用になったことはございますでしょうか?
正規化モード
トラックマンの初期設定では
ボールタイプ:Premium
標高 0m
気温 25℃
となっておりますが、この設定を変更することにより、条件によってボールの飛びなどがどのように変わるかを知ることが出来ます。
では、実際に見てみましょう。
赤い軌跡のショットでは、キャリーが148.2ヤードとなっていますが、条件を
標高を 0m → 1200m
気温を 25℃ → 35℃
に変更した場合、156.2ヤードに変わります。
クラブのデータに変化はありませんが、ボールのデータに変化があるのが見てとれると思います。このように条件を変更すると
ツアー選手は標高が高い地域へ試合に出掛ける際には、この『正規化』の機能を活用して、普段の自身のデータと照らし合わせたり、現地入りする前にどれくらい実際に差があるかなどを確認してから会場入りをします。
みなさまも次回いつもと標高や気温が違うところにプレーに行かれる際には、ぜひ『正規化』モードを活用して準備をされてみてください。
オプティマイザー機能
英語の「optimize」という単語には「最大限に活かす」という意味があります。
トラックマンではツアー選手のデータを基にクラブ毎、打ちたい弾道によって目安となるの最適値を割り出しました。

オプティマイザー機能を活用すると...
ドライバーでは クラブスピードとアタックアングルに対して
- 最大キャリー
- 最大トータル
- 最大キャリー+トータル
アイアンでは クラブスピードと選択したクラブのロフト*
- 高弾道
- 中弾道
- 低弾道
ウェッジでは
- フルスイング
- ピッチショット に対して
- 高弾道
- 中弾道
- 低弾道
の最適な『高さ』と『距離』で飛んでいるかを知ることが出来ます。
最適値の目安は青色をもって示されます。
では実際に例を基に見てみましょう。
もともとこの選手はスピン量が低く弾道が低かったため、硬いグリーンで球を止めるのが不得意でした。
実験として(ほぼ)同じロフトで全く異なるスペックのクラブを打たせてみました。
ブロック1.本人のクラブ(TUNE CB01/三菱ケミカルOTシリーズ85S/ロフト33.5°)
ブロック2.本人のクラブよりも約20g重いクラブ(AP2/True Temper AMTホワイト S200/ロフト33°)
1つ目(以下 TUNE CB01)と2つ目(以下 AP2)のブロックの1枚目の写真を比較すると、2つとも中弾道設定ですが、すぐにみて取れるのはTUNE CB01は中弾道を打つのに最適化されているのを表す青色で示されているのに対し、2つ目は中弾道を打つのに適していません。ブロック2の一枚目の写真をよく見ると、弾道の高さが突き抜けてしまっています。
TUNE CB01の2枚目の写真を見ると、最適化を表す数値が青く表示されているものの全体的に青い指標内には収まっていません。それに対して、AP2の2枚目の写真を見ると高さをはじめとするすべての要素が青い指標内に綺麗に収まっており、高弾道を打つのに最適化されています。
このプレーヤーは長い間、高弾道・高スピンの球をを打つのに大変苦労していました。3枚目の写真をみて頂くとお分かりになるように、クラブを変えただけでスピンロフトが約4°も変わりました。スイングだけでこれだけ変化させるのは難しいですし、変化させた場合、他のクラブに影響を及ぼす可能性が高いです。
スイングは変更せずにクラブを変えただけで、苦手としていた、そしてずっと打ちたかった高い球を簡単に打てるようになったのです。
最後にドライバーを見ていきましょう。
ブロック3
冒頭で触れたようにドライバーでは クラブスピードとアタックアングルに対して
- 最大キャリー
- 最大トータル
- 最大キャリー+トータル の最適値が見れます。
ブロック3の3枚目の写真の最大トータルを見るとクラブスピードとアタックアングルに対して最適値で飛ばせているように見えますが、2枚目の写真(最大キャリー)を見ると、最適化されていません。繰り返しになりますが、最適化の定義は、 『高さ』と『距離』 です。すなわち、この選手は、最大のキャリーを出すには『高さ』が不足しているのです。
そこでドライバーのクラブロフトを増やして実験してみました。それが以下の写真です。
ブロック4

ブロック4とブロック3を比較する、ブロック4の方がクラブスピードが落ちているので、単純比較はできませんがそれでもキャリーがほとんど変わりません。つまり最適化されているということになります。
今回はご紹介したのはあくまでもオプティマイザー機能の使用例であり、条件を満たすには、クラブのスペックであったり、スイングであったりと様々な要素があります。また、ツアー選手の場合、年間20-30試合を戦うと考えたときにそれを戦い抜くための体力も必要になりますので、上記の例のように20gを追加したクラブが一つの正解とは限りませんが、オプティマイザー機能を使うと、そのプレーヤーにあった悩みを解決する糸口が導き出せます。
プレーヤーによって悩みやゴールは千差万別ですので、目指す球筋は、コーチやクラブフィッターさんとよく相談されてから、決めてください。レッスン、フィッティング、競技ゴルファーのスキルアップのための目安として、ぜひオプティマイザー機能をご活用ください。
オプティマイザー詳細(英語) 詳細
*ロフトの初期設定はトラックマンがクラブメーカーさんの統計を基に出した数字ですが、ご自身のクラブのロフトに合わせて設定を変えられます。
*正規化はTPS, iPad, スマートフォン版TrackMan Goにて、オプティマイザー機能はTPS(TrackMan Perfomance Studio)、iPadでご利用可能になります。
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