Ryan Johnson & Greg Mathewson著
INTRODUCTION
最近のゴルファーはクラブのフィッティングを行ってクラブを購入する傾向があります。
トラックマンを使うことでお客様に一番フィットしたクラブ選びができるようになりました。
どのフィッテイングセンターでも大体人工芝(マット)から打ちます。
私たちも良い芝生を育てるのが難しいため、クオリティの高い人工芝を導入しております。
私たちフィッターはお客様に合ったクラブを提供するのが目標です。
ちゃんとフィットしているクラブはフィッテイング時と同様、コースでも同じような良い結果が出るはずです。
なので、打つ場所が変わることでどのようにボールの弾道に影響があるか検証してみました。
PROCESS(プロセス)
トラックマンを使って芝生と人工芝で打った違いを確認できました。
実験はトラックマンのノーマライズの機能を使って行いました。
ノーマライズを使うことで天候条件を一定のものに指定できます。
使用したクラブはTitleist 712 AP2の7アイアンで、DGS300のシャフト、長さ、
ロフトそしてライ各はスタンダードでした。
使用したボールはTaylormade Lethal 2013。
人工芝の名前はReel Feel Country club elite。
使用した芝はベントとライグラスのミックスです。毎ショット、乾いている環境で打ち、
より正確なデータを採るためショット毎にきれいにクラブの汚れを拭き取りました。
一番不定な部分は人間が打っていることです。そのため、+2のハンデの方にご協力していただきました。
上級者のため、ある程度一定したショットが期待できたからです。
上級者を選んでも結局はスイングの特徴と打つ場所が結果を左右させると思います。
最後にもう1つ;今回はひとりの方がひとつのシナリオで実験を行いました。
異なる環境やスイングの特徴だと違った結果が出るかも知れません。
RESULTS(結果)
下記の図に今回のデータがあります。ひとつの環境から10回打ってもらいました。
図①に5つのデータがあり、中の2つに注目しました(打ち出し角とスピン量)。
私たちが思っていた通り、大きな差がある事を確認できました。
図②に全てのインパクトデータがあります。ご覧の通り、人工芝と芝の違いがほとんどありませんでした。
その為、打ち出し角度とスピン量の大きな変化は打つ場所の違いが影響あった事が分かりました。
打ち出し角度は3つの要素が影響しております;インパクトロフト、ボールの種類、アタックアングル。
ボールは同じ種類使っていましたので関係ありませんでした。インパクトロフトとアタックアングルが形成するスピンロフトの数値も1度ほどしか変わらないので関係ありませんでした。
ただ、芝生から2.7度ほど打ち出し角度が低かったことには少し驚きました。アイアンのフィッテイングでクラブ毎に2度ほどの打ち出し角度の変化が望ましいのでこれはかなり驚きました。
2.7の違いがあると、1つの番手の違いになります。この情報が分からなかったら、人工芝で打った6番アイアンはコースに出たら5番アイアンのように打ち出すことになります。
これでは正しくフィットしていることにはなりません。
スピン量はインパクト直後から発生するトータルスピン量です。スピン量を形成する要素は4つあります;スピンロフト、ヘッドスピード、当たった場所、クラブとボールの摩擦。
ただし、今回はインパクトの場所も、スピンロフト、ヘッドスピードは変動がなかったので芝生と人工芝の1928rpmの差の説明がつきませんでした。
目安として、適正なスピンはクラブの番手の数字x1000。なので今回の実験で芝から打った球は6番アイアンは8番アイアン並みのスピン量が発生していました。
CONCLUSION(結論)
正しくフィッテイングする為には、人工芝とコースの芝で異なるデータが出る可能性がある事を理解する必要があります。
この実験を早い段階で行った結果、実際にコースで起こる打ちだし状況を想像しやすくなりました。
このテストの結果が絶対条件であることではありません。スイングの癖が変わればデータも変わる可能性があります。
ただ、打つ状況が多少なり変化をもたらすことを知ることが重要です。
他のフィッテイングセンターも同じような実験を行うことをお勧めします。
人工芝=黄色 天然芝=白
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